河原朝生 展

Asao Kawahara Exhibition

2006年11月11日(土) - 11月26日(日)

■ DMテキスト
緊密に描き込まれた空間に,何の脈略もなく対象がボっと浮かぶ。
その断絶した世界は私たちを見知らぬミステリアスな旅に誘います。
河原朝生は現代美術の範疇からは一歩離れ,静かな奥行きの深い世界を淡々と描き続けています。
今回は,本展の為に描かれた新作の素描を中心に、重厚に描かれた油彩画、立体作品などさまざまな角度から河原朝生の世界を紹介致します。

素描12点、油彩画6点、立体1点 計19点を展示。

▪️ 河原朝生プロフィール
1949 7月11日東京、目白に生まれる。
1972 渡伊、ローマ国立美術学校に入学。油彩画を学ぶ
1977 最初の個展、イル・テット画廊(ローマ)で開催され、18点を出品する。
1979 羽黒洞(湯島)で日本で最初の個展
1979 ピッツォカラブリア絵画展でバレンティア賞を受賞
1979 ジャニコロ画廊(ペルージャ)、イル・テット画廊(ローマ)と契約
1980 イル・テット画廊で個展
1980 ジャニコロ画廊で個展
1981 帰国 湯島・羽黒洞で個展
1992 画廊轍で個展
1992 画廊香月(福岡)で個展
1993 七夕便り展(福岡、画廊香月)に出品
1994 三越百貨店(銀座)で個展
1994 「河原朝生画集」が求龍堂から刊行
2005 ギャラリーモリタで個展
2006 ギャラリーモリタで個展
2013 ギャラリー椿で個展

■ レビュー
プリミティブな聖域
現代美術の範疇からは一歩離れ、静謐感をたたえた奥行きの深い世界を淡々と描き続ける画家・河原朝生展を開催します。
ただ緊密に、寸分のすきなく描き込まれた空間に、何の脈絡もなくボッと映像が浮かぶ。その断絶感が河原朝生の世界です。

20代のほとんどを日本から離れ、イタリアで暮らした河原はキリコやカルロ・カルラらイタリア形而上絵画のからりと乾いて謎めいた、何かが起こりそうな空間の感触が肌に合ったと言います。
 
直線の上に、きちんとした身なりの人が直立している、一見するとバランスのいい彼の作品です。
しかし、「僕はどうも平衡感覚が欠けていまして、アーチで画面を囲ったり、宗教画のように画面の真ん中に描いたりしないと不安なんです。」と河原は語っています。
そこには生活感も時間もない、神秘で謎の世界が生まれる。ひとつの完結した宇宙が存在します。
   
■ Opening 11月11日(土)pm5:00~ 「河原朝生を囲んで」

朝日新聞 8th. Nov 2006