安元亮祐 展 – いのちのざわめき –

Ryosuke Yasumoto Exhibition

2001年6月30日(土) - 7月22日(日)

■ テキスト
いつかどこかで出逢ったピエロたち 
夢から蘇った曲芸人        
背景をさまよう鳥や犬…      
静謐なるシンフォニーが流れる画中劇
密かに息づくいのちのざわめき

■ 安元亮祐プロフィール
1954年、兵庫県 姫路市生まれ。
1972年に東京教育大(現、筑波大)付属聾(ろう)学校美術 専攻科入学

幼い頃、高熱が原因で聴覚を失う。
小学校の頃から絵に熱中、画家になろうと決意する。
学生時代から独特の色彩感覚など日本人離れした感性が際立っており、頭角を現わす。

1988年(34歳)には安田火災美術財団奨励賞受賞。1989年セントラル美術館油絵大賞展・佳作賞受賞。具象絵画や彫刻の新人登竜門といわれる第27回昭和会展(日動画廊主催)では昭和会賞を受賞し一躍注目を集める。

特徴的な画風にはマリオネットのピエロ,フルートやトランペットを奏でるジプシーたちが月明かりの下でいつも踊っている。鉛色したブルーグレイの空、人魚の棲む浜辺、枯れかけた花、降り注ぐビーズの雨は見知らぬ街を濡らし、記憶の断片を紡ぐ。窓からこちらの様子を伺う見知らぬ月の住人、刻印された街。そんな幻想的な世界は多くの人々を惹きつけ、魅了してきた。

■ レビュー
画廊香月のオープニング作家でもある安元亮祐による新作展。デフパペットシアターひとみ公演「オルフェウス」での美術担当や第7回国際コンテンポラリーアートフェスティバル「NICAF TOKYO 01」に出展されたりと、近年もますます新たな分野で活躍。当画廊では約2年半ぶりの発表となった。

「安元グレー」と呼ばれる程、不透明ながら美しい灰色の風景にピエロや曲芸人や犬や跳べない鳥たちが登場する。画家の創造する夢の楽園に密かに息づく様々な「いのちのざわめき」をテーマに新作のアクリルタブロー他約30点展示した。

■ Opening
6月30日(土)pm4:00~ 「安元亮祐を囲んで」