堀越千秋 展 - CALIENTE –

Chiaki Horikoshi Exhibition

1996年10月12日(土) - 11月17日(日)

■ 堀越千秋プロフィール
1948年東京都生まれ。
東京芸術大学大学院油画科専攻終了後、ヨーロッパ各地を放浪。 1976年スペイン政府給費留学生としてマドリッドに定住する。

マドリッドを中心に世界各地で活動を続ける堀越は、「スペインは、誰もがヒピカソの勢いと、短気と、粗放さ を持っている芸術国家だ」というスペインへの共感をベースに、絵画、立体、壁画などのアートからカンテ( フラメンコの唄)、エッセイといったさまざまな分野において、 ダイナミックで幅広い作品を生み出してきた。
「武満徹全集(小学館)」の装画で経済通産大臣賞。ライプチヒ市「世界で一番美しい本」日本代表に選出。全日空機内誌「翼の王国」表紙絵でも知られる。
カンテの名門一族「アグヘタファミリー」との親交を深め、カンテ(フラメンコの唄)の名手としても活躍し、2004年フジロックフェスティバルにも出演した。
著書に「フラメンコ狂日記」、「絵に描けないスペイン」「赤土色のスペイン」「美を見て死ね」など多数出版される。

2014年、スペイン政府より文民功労賞を受賞。
2016年、マドリッドにて死去。

■ 堀越千秋の言葉
ゴッホを実際に見た人の話によると、ゴッホはそのとき自室で絵に筆を入れていたそうだが、そっと絵に近づいて一筆入れると、すぐそのまま後ろ向きに手探りするようにイスまでたどりついて座り、じっと眺めては、また同じように絵ににじり寄って….とやっていたそうだ。
 
これは、おそらく最後のバランスを決めようとしていたのであろう。はじめからそんな描き方をしているわけはない。踊るようにいっぺんに、よろこびや勢いと共に描かれたものは、その時間が過ぎてしまうと、もう触れることができない。「書」はそれを重んじるので、なぞったりしてはいけないのである。子供の絵もそうだ。
 
しかし、大人はいったん描いたものを、うしろへ下がって、目を細めたり、首を傾けたり、鏡を持ち出したりして「客観的に」眺めなくてはならないのである!何たる因縁であろう。
 
さらには、自らの絵を「歴史的に」とらえてみることとか、描くことそのものを問うて見るとか疑ってみるとか、つまりあらゆる知能と知識を動員して。「うしろに下がって」眺めなくてはならないのである。
 
これが現代アートの定義だ。見ることを見る、ことを見ることを見ることを見ることを見ることを…..
<堀越千秋>

■ Opening
10月12日(土)6:00~ 「堀越千秋を囲んで」

■ 同時開催 
くれたけ酒造SAKEホール 佐賀県鹿島市浜町酒蔵通り