画廊香月1周年特別企画 / 絵と音のクロスオーバー 安元亮祐展

Rousuke Yasumoto Exhibition

1992年9月19日(土) - 10月 4日(日)

■ DMテキスト
果てしなく遠い色彩とフォルム。
4ビートの叫び。
求め合う絵と音が出逢う時、ギャラリーの小さな空間はひととき幻想玉手箱に変身する。魂の画家、安元亮祐とソウルフルな銀盤の魔術師、板橋文夫の織りなすイメージのクロスオーバー….
新しい感性と才能の発掘を目指す画廊香月が、この1年間見守り支えていただいた皆様の気持ちにおこたえして1周年記念特別企画をプロデュースしました。
絵とジャズの熱いエネルギーの交錯と衝突に一体どんな世界が拡がるのでしょうか。
これを機会に画廊香月は、ジャンルを越えたアートシーンを求め、単なる画廊の枠に留まらないアート空間の創出に向けて努力していきたいと思っています。

■ 安元亮祐プロフィール
1954年、兵庫県 姫路市生まれ。
1972年に東京教育大(現、筑波大)付属聾(ろう)学校美術 専攻科入学

幼い頃、高熱が原因で聴覚を失う。
小学校の頃から絵に熱中、画家になろうと決意する。
学生時代から独特の色彩感覚など日本人離れした感性が際立っており、頭角を現わす。

1988年(34歳)には安田火災美術財団奨励賞受賞。1989年セントラル美術館油絵大賞展・佳作賞受賞。具象絵画や彫刻の新人登竜門といわれる第27回昭和会展(日動画廊主催)では昭和会賞を受賞し一躍注目を集める。

特徴的な画風にはマリオネットのピエロ,フルートやトランペットを奏でるジプシーたちが月明かりの下でいつも踊っている。鉛色したブルーグレイの空、人魚の棲む浜辺、枯れかけた花、降り注ぐビーズの雨は見知らぬ街を濡らし、記憶の断片を紡ぐ。窓からこちらの様子を伺う見知らぬ月の住人、刻印された街。そんな幻想的な世界は多くの人々を惹きつけ、魅了してきた。


西日本新聞

シティリビングふくおか

読売新聞 19th May 1993