現代美術の継承 -池田満寿夫と北川健次・山口啓介

Masuo Ikeda・Kenji Kitagawa・Keisuke Yamaguchi Exhibition

2001年7月28日(土) - 8月19日(日)

■ DMテキスト
池田満寿夫の初期の作品を中心に、60年代から80年代までの代表作約20点を出品致します。
また、生前の池田が初個展をプロデュースした北川健次、池田のアトリエにて銅版画を制作した山口啓介。
現在のコンテンポラリー・アートを代表する二人の作家が、池田満寿夫と出会った時期の希少な作品も見ることが出来ます。
また、三作家の今回の出品作はほとんど絶版となった作品が中心です。

■ 池田満寿夫プロフィール
版画はもとより、絵画、彫刻、陶芸、文学、書、映画など幅広い分野にそのほとばしる才能をいかんなく発揮した池田満寿夫(1934-1997)。
 
彼は、旧満州国(現・中国東北部)に生まれ、終戦後は両親の故郷、長野に移り住みました。
上京後、画家・瑛九の勧めで色彩銅版画を始め、1960年、東京国際版画ビエンナーレ展で文部大臣賞を受賞、シンデレラボーイとして一躍脚光を浴び、1965年にニューヨーク近代美術館で個展を開催、翌年にはヴェネツィア・ビエンナーレ展で国際版画大賞に輝くなど、国際的にも高い評価を得ました。
 
また、文学にも傾倒し、1977年、小説『エーゲ海に捧ぐ』によって芥川賞を受賞、さらに同作品を自ら映画化、映画監督としてもデビューを果たしました。その後もマルチ・アーティストとして多様な挑戦を続けました。「芸術に進歩などない、変化があるだけだ」という言葉のとおり、つぎつぎに新たな表現世界を開拓していきました。

■ 北川健次プロフィール
1952年福井県生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修了。駒井哲郎に銅版画を学び、棟方志功・池田満寿夫の推挽を得て作家活動を開始。’90年、文化庁派遣芸術家在外研修員として渡欧。1993年、来日したクリストよりオブジェ作品の賞讃を得る。版画、油彩画、オブジェの他に写真、詩、評論も手がける。2008年にランボーを主題とした作品が、ピカソ、クレー、ミロ、ジャコメッティ、ジム・ダイン、メープルソープらと共に選出され、フランスで展覧会が開催される

■ 山口啓介プロフィール
1962年生まれ。兵庫県西宮市出身。武蔵野美術大学を卒業後、大型銅版画作品で数々の賞を受賞し鮮烈なデビューを遂げる。 その作風から「方舟」や「宇宙船」のモチーフ、また宇宙的、生命的イメージが知られることとなる。 以降、立体、絵画、インスタレーションなど、さまざまなメディアによる作品を展開する。 1997年に発案した音楽用カセットケースと花や植物を使った作品「カセットプラント」が注目される。2009年-2013年武蔵野美術大学客員教授。