小林健二 展 – 夢記 ゆめのしるし 自作LENZによる –

Kenji Kobayashi Exhibition

2005年7月16日(土) - 8月10日(水)

■ DMテキスト
子供の頃,柄のところなどが折れたメガネから、レンズを丁寧にはずして、大事なお守りのようにしていたことがありました。
そのようにして手に入れた厚みのある大きなものや薄い小さなもの、なかには淡いムラサキ色のものなどもあって、ときどきそれらを触れているだけでしあわせだったのです。近頃思い出のたわい無く見えるレンズたちで写真を撮れるだろうかと思ったことがあり、いろいろとそれらを組み合わせたりしながら撮影してみました。
そのうちいくつかは像を結び、やわらかな風景を見せてくれました。
それらが何処か忘れていた夢の中の記憶のような気持ちがして「ゆめのしるし」と名づけてみたのです。
<小林健二>

■ 小林 健二プロフィール
1957 東京新橋に生まれる

2013 Witches’ Relics-魔女たちの遺品,Gallery MORYTA/Fukuoka
2011 May & June,Gallery MORYTA/Fukuoka
2010 K’s WORKSHOP,Gallery MORYTA/Fukuoka
2010 TWILIGHT PLANET,Gallery MORYTA/Fukuoka
2010 15 to 32,Gallery MORYTA/Fukuoka
2009 PERSPY-ガラス体の日常,Gallery MORYTA/Fukuoka
2009 ELECTRIC WORLD,Gallery MORYTA/Fukuoka
2009 春の虹色-Printemps Iris,Gallery MORYTA/Fukuoka
2008 青繭の日記、Gallery MORYTA/Fukuoka
2008 Tools and Mind、Gallery MORYTA/Fukuoka
2008 CRYSTAL ELEMENTS、Gallery MORYTA/Fukuoka
2007 A Place of Fairy-妖精の場所、Gallery MORYTA/Fukuoka
2006 A story of Silence- 静寂の軌跡、Gallery MORYTA/Fukuoka
2005 銀色のことば-silver words,Gallery KAZUKI/Fukuoka
2005 夢記(ゆめのしるし) 自作レンズによる写真展,Gallery KAZUKI/Fukuoka
2004 薄荷の学説-The Mint Theory,Gallery KAZUKI/Fukuoka
2003 ひかりさえ眠る夜に-ON A NIGHT WHEN EVEN LIGHT HERSELF SLEPT,福井市美術館/Fukui
2002 TINY NIGHTS,Gallery KAZUKI/Fukuoka
2000 内景-Inner Spaces,Galerie CAZUQUI/Fukuoka
2000 プロキシマ-見えない婚礼,三菱地所ARTIUM/Fukuoka

グループ展
[水晶の塔を探して-現代アートが開く「私」の世界] 福岡市美術館/Fukuoka
[時の万華鏡] 福井市美術館/Fukui

「Inner scapes」(2000年)、「TINY NIGHTS」(2002年)、「薄荷の学説」(2003年)と画廊香月では、今まで様々な角度から小林健二展を開催してきました。そして今回、4度目の個展『夢記』を開催しました。 小林としても初めての発表になる写真展です。

■ レビュー
小林自作のレンズで自ら撮影された作品は神秘的で美しく、澄んだ空気が流れています。画面はかぎりなく透明で、色彩の鮮やかさと、ぼんやりとした空気感との混在がどこか懐かしさを思い起こさせるようです。小林の目線から写し出された風景の中で、1人1人がそれぞれの感性で作品の前に立ち、感じる心を見つめていただきたいと思っております。その魅力に触れることが、自分自身の気付かなかった世界を見せてくれるきっかけになることでしょう。

ギャラリーは、そのように心に触れる作品を、皆様に紹介させていただくことが、なによりの喜びです。