岸田淳平 展 女の風景

Junpei Kishida Exhibition

1992年4月11日(土) - 4月26日(日)

■ DMテキスト
私にとって女性はなぜか哀しくおぼろげで、不確かで今にも壊れそうで、それでいて人の真実の多くの部分をその性の裏側に秘めているように思えてなりません。筆を重ねるたびに、絵の向こう側から何かが問いかけているような、そんな気配を感じるのです。  
                                                                         
■ 岸田淳平プロフィール
1943年 大阪生まれ
1966年 関西学院大学心理学科卒業
1981年 第12回版画グランプリ展、サロン・ドートンヌ展
1982年 第4回現代版画コンクール展、第50回日本版画協会展、第32回モダンアー展、第10回イビザ・ビェンナーレ展
1983年 第1回版画大賞展
1984年 シロタ画廊で初めての個展、第15回国際美術展

個展
ギャラリーモリタ/福岡、みさき画廊/大分、ギャラリー椿/東京ほか多数。
著書
『放課後読本』、『犯罪的放浪』(立風書房)、詩画集『春の涙腺』など。
収蔵
東京オペラシティアートギャラリー、寺田小太郎コレクション、米子市美術館/鳥取県、小国芸術村会館/新潟県
ウッジ市立美術館/ポーランド、国際グラフィックアート美術館/エジプト

■ レビュー
三年前の春、画廊香月で私の個展を開催していただいた。いろいろな事情があり、それは旧作によるものだった。いつの日にかは、新作で、福岡のみなさまにお逢いしたい。胸の底でそう願いながらも、ウジウジとした時間だけが過ぎていった。そんな私に、香月人美さんが、無形文化財の小国和紙に描いてごらんと提案してくださった。それは私への励ましのように思えた。しかし、描いているうちに、これは人美さんが私に仕掛けた挑戦だな、と痛感した。そうなんだ、企画者と絵描きとは、狭いリングの上の孤独な二人のボクサーに似ている。お互い、甘えているスキなんてありはしない。きっと、私は負けるだろう。でも、その負けっぷりを、ぜひ見てほしい、とも思う。
<岸田淳平>

■ Opening
「岸田淳平を囲んで」pm5:00~