グループ展 自画像作品・・・

Group Exhibition

2003年4月 4日(金) - 4月27日(日)

■ DMテキスト
92年、画廊香月をオープンして以来、93年、板橋文夫(P)ヤヒロトモヒロ(Per)の初ライブ以降、数多くのexihibition×liveを企画・開催してきました。これまでの画廊の歴史を彩ってきた絵と音とのコラボレーションなどにより生まれた作品を発表いたします。

CD『自画像作品1』
板橋文夫(P)ヤヒロトモヒロ(Per)表紙絵・安元亮祐

CD『PAGAN HYMN』     
齋藤徹(Cb)ミッシェル・ドネダ(Ss)チョン・チュルギ(打)表紙絵・小林裕児

CD『自画像作品2』    
板橋文夫(P)ヤヒロトモヒロ(Per)表紙絵・岸田淳平

CD『フラメンコの仙人たち』
アグヘタ一族、堀越千秋(カンテ)表紙絵・堀越千秋

■ 関連企画
Opening special live「音階の解剖学」
4月5日(土) 18:30~  
齋藤徹(コントラバス)/ミッシェル・ドネダ(ソプラノサックス)  
料金 前売り:¥4,000 当日:¥4,500
 
92年画廊をオープンして以来、数多くのexhibitionやライブを開催して来ました。
93年板橋文夫とヤヒロトモヒロの画廊初のライブでは安元亮祐の絵を液晶ビジョンで映し、即興コラボレーションを企画しました。その模様は「自画像作品�」としてCDリリースしました。ジャケットは安元亮祐の版画を使っています。
99年春には福岡市アジア美術館でのオープニング企画「オンバク・ヒタム」では齋藤徹率いる総勢九名のアーティストが国内外から集められました。また秋にはミッシエル・ドネダをフランスより招き、韓国のチョン・チュルギを加えたツアーは「ペイガン・ヒム」としてリリースされました。このジャケットは小林裕児の絵を採用しています。
また2000年に開催された板橋文夫とヤヒロトモヒロのライブは八年ぶりの再結成でした。アフリカや南米のサウンドを取り入れたライブの模様は「自画像作品�」として発表しました。表紙は岸田淳平のFaceシリーズから原画を採用しています。
2000年、画廊香月はスペイン在住の作家堀越千秋が愛するアンダルシアを訪れカンテ(フラメンコ)で有名な一族アグヘタファミリーのペ-ニャ(同好会のライブ)の模様を収録し「フラメンコの仙人たち」としてリリースしました。さらにジャケットの絵は堀越千秋がケースの1点づつ直にマジックペンを使い描いています。
 
今回は今までの画廊の歴史を彩ってきた「絵と音のクロスオーバー」された企画に重要な役割を果たしてきた作品を展示します。小林裕児・堀越千秋・安元亮祐・岸田淳平・河原朝生など、原画、ミックスドメディア、水彩、版画合わせて30点の作品を展示します。

exhibitionのオープニングを飾る齋藤徹とミッシエル・ドネダたちのような演奏は「即興演奏」と呼ばれます。まだまだ、日本では彼らの得意とする「即興演奏」はなじみが薄いように思います。文化の確立という視点だけではなく、今という時代がかかえる飽和状態や閉息感から解き放つひとつの試みとして、欧米社会のようにインプロビゼーション(即興演奏)を求めることは、とても大切だと思います。
テレビや媒体などの発達により、かえって私たちと音楽との結びつきは狭まられているのではないでしょうか。
彼らの演奏と対峙する時、従来のメロディとか曲といった概念だけで音楽と接している自分から、「音」そのものの存在を強く感じ始めている自分に気付かさせられるはずです。つまり音楽だけではなく、自分そのものの限界さえも自然と超越させられているわけです。即興性を楽しむということは、その時その場でしかできないことを必死に楽しむことです。今、ここでしか起こり得ない瞬間の可能性に賭けることに他なりません。現在の日本では、電波などで流されている音の流行を、目前で確認するというライブやコンサートがほとんどです。こうした状況の中では、本来若者たちが育むべき創造性が失われていくばかりではないでしょうか。

このことは、実は絵画の世界においても多くの共通点が感じられるのです。例えば具象と抽象というカテゴリーだけをとってみても、多くの日本人にとって、そこには大きな境界となって存在しているように思えます。人々にとって、「即興演奏」も「抽象絵画」も実は現実そのものなのです。ここに、画廊香月が音楽ライブを手掛ける源を感じております。それが彼らのライブ演奏を支持する理由でもあります。