堀越千秋 展 – らせんの力 –

Chiaki Horikoshi Exhibition

2002年9月28日(土) - 10月20日(日)

■DMテキスト
堀越千秋はスペインに25年滞在し、
ヒターノ(ジプシー)とは20年来の付き合いのある画家である。

もともと3次元の立体空間に住む人類が、2次元の平面空間に表現するのが絵である。何しろ次元を変換するのであるから、当然ものすごいエネルギーを必要とする。つまり、立体を押しつけて平面に圧縮するわけだ。空間が、画家の力によって歪(ゆが)むのである。 画家の力、といったって、それは画家という人間を通じて現れる宇宙の力である。万物はぐるぐる回っている。太陽も星雲も卓上のしょう油さしも、ぐるぐる回っている。それが宇宙のどこかへ向かって、ものすごいスピードで移動している。それをよそから眺めれば、らせんである。
<堀越千秋 読売新聞日曜版「赤土色のスペイン」より抜粋>

■ 堀越千秋プロフィール
1948年東京都生まれ。
東京芸術大学大学院油画科専攻終了後、ヨーロッパ各地を放浪。 1976年スペイン政府給費留学生としてマドリッドに定住する。

マドリッドを中心に世界各地で活動を続ける堀越は、「スペインは、誰もがヒピカソの勢いと、短気と、粗放さ を持っている芸術国家だ」というスペインへの共感をベースに、絵画、立体、壁画などのアートからカンテ( フラメンコの唄)、エッセイといったさまざまな分野において、 ダイナミックで幅広い作品を生み出してきた。
「武満徹全集(小学館)」の装画で経済通産大臣賞。ライプチヒ市「世界で一番美しい本」日本代表に選出。全日空機内誌「翼の王国」表紙絵でも知られる。
カンテの名門一族「アグヘタファミリー」との親交を深め、カンテ(フラメンコの唄)の名手としても活躍し、2004年フジロックフェスティバルにも出演した。
著書に「フラメンコ狂日記」、「絵に描けないスペイン」「赤土色のスペイン」「美を見て死ね」など多数出版される。

2014年、スペイン政府より文民功労賞を受賞。
2016年、マドリッドにて死去。

■ Opening
9月28日(土)pm4:00~ 「堀越千秋を囲んで」

■ 特別企画「カンテ」
9月28日(土)pm7:00~
<スペシャルゲスト> Miguel “Gitano de Bronce”・Diego Agujetas