ART KAOHSIUNG 2023

2023年11月30日(木) - 12月3日(日)

Gallery MORYTA

■ 会期
2023年11月30日(木) – 12月3日(日)

■ Venue
P2 & P3 WAREHOUSE AT THE PIER 2 ART CENTER

■ ART KAOHSIUNG 2023公式サイト
https://www.artfairmag.com/art-kaohsiung/

出展作家
About artist

– 高島 進 / Susumu Takashima
– 鳥越 一輝 / Kazuki Torigoe
– 東 真里江 / Mariei Higashi
– 平松 宇造 / Uzo Hiramatsu

● 高島 進 / Susumu Takashima
1959 兵庫県生れ
1982 武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業
1984 武蔵野美術学園油絵科修了
1987 アジェンデ美術学校(メキシコ)に1年留学

高島進はインク、筆、色鉛筆などの特徴を生かした、彼にしかできない手法で作品を作る。
彼の作品は、筆のインクの減少、あるいは色鉛筆や金属の芯の摩耗によって太さがかわっていく線を、並べて反復して描くことでできあがる。彼の作品は、それぞれの素材固有の線の結晶体と言える。
「筆、インクと紙のためのドローイング」「鉛筆削り、色鉛筆とキャンバスのためのドローイング」「金属筆と紙のためのドローイング」等題名は、その手法が、手段と目的を反転させる試みであることを示唆している。それは、その曲が「ピアノとヴァイオリンのための音楽」等、どの楽器のために書かれたのかを示すクラシックの器楽曲のタイトルから着想された。
高島は、制作の手段と目的が変われば作品の意味と内容も、自ずと変化すると信じている。
高島の作品は、時間と集中力を必要とする。
そして、繊細でありながら力強く、美しい。—日本の美術の多くがそうであるように―

 

● 鳥越 一輝 / Kazuki Torigoe
1986年福岡県生まれ。
2007年日本デザイナー学院九州校卒。荒々しく画面と格闘するような抽象的表現で知られる。世に巣食うあらゆる欺瞞を打ち砕くが如き、激烈な筆致を伴っている。 アートが本来持つ深み・重さを追求し、自己の感情により近づこうと、人間が描くストロークの限界を打ち破るための試みを実施。独自の手法「beyond stroke」を生み出し、唯一無二の世界観を作り上げた。覚醒を促さんと嗾けるそのスタイルはかつて福岡で生まれた奇跡の前衛美術集団「九州派」の系譜をも感じさせる。 最近の主な展示「2022.22のヌード」TORIGOE KAZUKI exhibition 2022 22 nude paintings」(GALLERY MORYTA、福岡)「ART FAIR ASIA FUKUOKA」「Infinity Japan 2023」(台湾、台北)「ART KAOHSIUNG 2022」(台湾、高雄)。 第1回タガワアートビエンナーレ英展大賞受賞(2019)

 

● 東 真里江 / Mariei Higashi
1991 長崎県生まれ
2012 佐世保市立看護専門学校卒業
2017 独学で絵を描き始める

脆さや儚さと共にある力強い生命、死にゆく生命という現象に打たれる。
行き場のない葛藤や衝動、自身の苦しさが、さし迫って来て、壊れてしまいそうでした。どうにか事態を好転させようと、絵を描いたのが私の始まりです。それまで美術は義務教育で習った程度で、自身で絵を描くことも無く、アートにも関心がある方ではありませんでした。

必要に駆られて描くことになりましたが、描くことで、自身を知り、解かれて、そして許していくようでした。これまでに感じたことのない歓喜を覚えました。また、知らない自分(自分とも言えないような私を超えた何か)と出会うことが面白く、ますます描くことにのめり込んでいきました。救われると同時に、未知を切り開いて進んでいくような、言葉にし難い体験が、私の生きる世界を拡げていくような実感がありました。そうして、私は一生をかけて自身の可能性を拡げたいと、覚悟を決めたのでした。

絵に現れているのは、私の人生そのものでしょうが、その中でも看護師として経験したことは大きく影響しているように思います。特に五年ほど手術室で勤務していた経験は、私の人生で最も重要な時間でした。手術に携わり初めて見た人体は驚くほど精密で、驚くほど脆いものでした。それは私にとって強烈な体験でした。他者の体はもちろん、私自身の体もそうであること。植物や動物やあらゆる命も、この世界も同様であること。その不思議さ、恐ろしさ、素晴らしさが差し迫ってきて、全身を打たれるようでした。死を受け入れて生きる人の様子、治療にともなって回復していく姿、傷が治癒していく過程などを見ていると、その命が途轍もなく鮮やかに感じられたのでした。そういう脆さや弱さと共にある力強い生命が、とてもうつくしく感じられたのです。

世の中には、分かりやすい二者択一的な考えが多くありますが、何事にも捉えきれないほど様々な面があるのではないでしょうか。 答えがない中で、型に押し込めず矛盾を持ち続けること、描き続けることが私の問いでもあります。表裏、善悪、美醜、生死… 一見相反することも共存するような、そういう血の通った表現をしたい。そう思うのは、残酷なこの世界を肯定したいからかもしれません。生命や世界の、ありのままこそがうつくしいとも思うからです。

 

● 平松 宇造 / Uzo Hiramatsu
1954年岡山県生まれ。
ここ福岡からSNSで作品を発表するうち、海外からのオファーが急増しているアーティストがいる。(INSTAのフォロワー数は10万人に迫るほど)
平松宇造  HIRAMATSU UZO。イラストレーターとしてキャリアを積んだのち美術家として活動をはじめ、禅寺での個展開催やアートフェアへの出品、ペインティングパフォーマンスなどで自己表現するかたわら、作品発表の場をSNSへと広げていった。
平松の作風である事象を即興的に捉えたドローイングと穏やかな色彩とタッチで描かれた花のシリーズ作品や般若心経をチェーマに描いた抽象作品は、特に海外で大きな反響を呼ぶこととなる。
インスタグラムでは、画家をはじめ、様々なジャンルの著名なクリエイターがフォロワーに名を連ねる。
さらにフォロワーのほとんどは海外からにも関わらず、日本人コンテンポラリーアーティストとしては異例のフォローワー数を9万5千人を超えている。
それらを証明するかのように、香港版VOGUEウェブサイトに「今Instagramでフォローすべき世界の7人のアーティスト」として紹介。
LOUIS VUITTON(日本橋三越店)のリニューアルでは、VIPルームに掲げる絵画を空間設計で著名なパリ在住建築家から依頼される。
さらに2021年に入ると、平松のフォロワーでもあるイギリスの世界的ファッション写真家ニック・ナイトからのオファーにより、彼が創設したSHOWstudio(世界中のクリエイターに影響を与え続けているグローバルショーケース)に招待され、2021年パリコレクションのメンズを抽象化して描く。2021年、3月には台湾を代表するギャラリーSOKA ART TAINANで日本人画家による二人展「鏡なか鏡」が開催され好評を博したばかりだ。<個展「36.6°C」案内文より抜粋>