高島 進 exhibition

2020年11月28日(土)ー 12月20日(日)

– 高島進 Gallery MORYTA 初の展覧会を開催します –

高島進はインク、筆、色鉛筆などの特徴を生かした、彼にしかできない手法で作品を作る。
彼の作品は、筆のインクの減少、あるいは色鉛筆や金属の芯の摩耗によって太さがかわっていく線を、並べて反復して描くことでできあがる。彼の作品は、それぞれの素材固有の線の結晶体と言える。
「筆、インクと紙のためのドローイング」「鉛筆削り、色鉛筆とキャンバスのためのドローイング」「金属筆と紙のためのドローイング」等題名は、その手法が、手段と目的を反転させる試みであることを示唆している。それは、その曲が「ピアノとヴァイオリンのための音楽」等、どの楽器のために書かれたのかを示すクラシックの器楽曲のタイトルから着想された。
高島は、制作の手段と目的が変われば作品の意味と内容も、自ずと変化すると信じている。
高島の作品は、時間と集中力を必要とする。
そして、繊細でありながら力強く、美しい。—日本の美術の多くがそうであるように―

道具と素材のためのドローイング

私の作品は、道具や素材別に次の五つに分けられます。
①筆、インクと紙のためのドローイング
②筆、インクと紙のためのドローイング(一筆描き)
③鉛筆削り、色鉛筆とキャンバスのためのドローイング
④金筆、カラージェッソとキャンバスのためのドローイング
⑤金属筆と紙のためのドローイング(金、銀、銅、真鍮)

筆、色鉛筆、金属筆は全て、描き始めから描き終わりまでの間に線の太さが変わって行く筆記用具・素材であり、作品は、そこから生み出される線の集積から成り立っています。

筆の線は、インクを含ませた最初が太く、徐々に細くなり、かすれていきます。逆に色鉛筆の線は、鉛筆削りで尖らせた最初が細く、徐々に太くなっていきます。(最初サンドペーパーで削って尖らせる金属筆も同様)
これら、線のデクレッシェンドやクレッシェンドとも言える、線の太さの変化が私の作品をカタチ作っていくのです。

本来、道具や素材は表現のための手段でしかありません。しかし私の作品では逆に、使われた道具や素材自身が、線の結晶体として表現されるのです。

私は、画材を使って何かを描写するのではなく、むしろ楽器を演奏する音楽家のように、道具や素材自身を描き鳴らそうとしているのかもしれません。

それ故タイトルは、クラシックの器楽曲が「ピアノとフルートのための音楽」等、「楽器のための音楽」であるように、「筆、インクと紙のためのドローイング」等、「道具と素材のためのドローイング」なのです。
                                                                                    高島進

Drawing for Tools and Materials
My works are divided into five kinds according to the drawing tools and materials; one is “Drawing for Brush, Ink and Paper”, two is “Drawing for Brush, Ink and Paper(one stroke)”, three is “Drawing for Pencil Sharpener, Colored Pencils and Canvas” four is “Drawing for Metal Point and paper and five is “Drawing for Gold Point, Color Gesso and Canvas”. All of the drawings consist of an accumulation of lines, and each line becomes gradually thinner or thicker from the start to the end.

A line drawn by a brush is thickest with full ink at the start, and gradually becomes thinner to be blurred out, just like a decrescendo.

A line drawn by a colored pencil pointed by a pencil sharpener is thinnest at the start,
and gradually becomes thicker, just like a crescendo.

Such changes in thickness of lines will build up a shape in each of my drawings.
Tools and materials are just a means for expression essentially; however, each shape on my works is to express
the structure of tools and materials themselves.
I would rather play tools and materials themselves, just like a musician playing an instrument, than represent something with them.
Therefore the title of my works shall be “Drawing for Brushes, Ink and Paper”, “Drawing for Pencil Sharpeners, Colored Pencils and Paper” and “Drawings for Metalpoint” just like classical music.