安元亮祐の楽園

Ryosuke Yasumoto exhibition

1993年10月9日(土) - 10月24日(日)

■ DMテキスト
大地の中にあって空気のようなもの、
僕にとって、それが楽園。

無国籍な街角から,追憶のピエロがこの街に訪ねた日から。画廊香月も、この秋で満2歳を迎えます。ピエロから昇華した女たちは,唄い,踊り、戯れ,楽園の中でどんな物語を綴ってゆくのでしょう。

■ 安元亮祐プロフィール
1954年、兵庫県 姫路市生まれ。
1972年に東京教育大(現、筑波大)付属聾(ろう)学校美術 専攻科入学

幼い頃、高熱が原因で聴覚を失う。
小学校の頃から絵に熱中、画家になろうと決意する。
学生時代から独特の色彩感覚など日本人離れした感性が際立っており、頭角を現わす。

1988年(34歳)には安田火災美術財団奨励賞受賞。1989年セントラル美術館油絵大賞展・佳作賞受賞。具象絵画や彫刻の新人登竜門といわれる第27回昭和会展(日動画廊主催)では昭和会賞を受賞し一躍注目を集める。

特徴的な画風にはマリオネットのピエロ,フルートやトランペットを奏でるジプシーたちが月明かりの下でいつも踊っている。鉛色したブルーグレイの空、人魚の棲む浜辺、枯れかけた花、降り注ぐビーズの雨は見知らぬ街を濡らし、記憶の断片を紡ぐ。窓からこちらの様子を伺う見知らぬ月の住人、刻印された街。そんな幻想的な世界は多くの人々を惹きつけ、魅了してきた。

■ 公開対談
「安元亮祐を囲んで」聞き手 香月人美
10月9日 pm 5:00start